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テレビ番組制作会社の聞くーこの企業を提案した理由
生田:そもそも今回鈴与さんを提案したのはどういう経緯があったのですか?
中村:元々は鈴与グループが運営している「フジドリームエアライン」の企画を2019年に僕が出していたんです。地方と地方を繋ぐ珍しい形、すごいビジネスモデルの航空会社ということで取材オファーをして「よし行きましょう!」と番組制作のラインナップには入っていました。
しかしご存知の通り2020年からコロナで飛行機の運航自体もままならなくなって、取材が中止に。2019年からある意味5年越しのこの取材で温めておいて、今このタイミングだ!と2023年末に番組プロデューサーに改めてぶつけて見たところ、母体の鈴与グループ全体で1回やってみませんか?今「地方」という注目されてるキーワードで、東京と名古屋という大都市に挟まれて静岡という地域においてあそこまで大きな企業を二百何十年も経営されている、何かしらすごい経営戦略があるはずだという話になりました。
生田:そういうパターンもあるのですね。
中村:ネタをここで決めるぐらいの勢いで「中村さんこれできますよね?」「できます。やりましょう!」ということで決まったというネタです。
生田:そういう風に決まるパターンはよくあるのですか?
中村:テレビ東京の担当から「ちょっと面白い企業があるので、中村さん一緒に取材行きませんか?」と提案をいただくパターンもあります。
動画制作に関するご相談はこちらテレビ番組制作ー取材での出会い
酒井: 幅広い事業をお持ちの企業なので全部紹介することができず、どこを切り取るべきかというところを突き詰めていった4ヶ月だったのかなと思いますね。
生田:結構大変そうですよね。
酒井:82歳になられる会長に直接取材させてもらったんですが、あれだけいろんなことやってらっしゃって、すごく僕自身エネルギーをもらえたというか、すごい方に出会えたなというような気がしたいう感じでした。
生田:現場で取材してディレクター的に面白いなって思ったことありますか?
酒井:とてもお茶目な部分がある会長でした。あれだけの企業で二百何年続いてる企業で八代目という方ですから、会う前はすごく僕自身怖い方なんじゃないかなというような気がしてたんですけど、実際会ってみたらすごく気さくに接していただけて大変ありがたかったです。
中村:本当に。お茶目で気さくで、本当に全てを受け入れるぐらいの感じの器の大きな方でした。
テレビ番組制作ー取り上げたくなる企業の特徴
生田:どんな企業だとカンブリア宮殿で取り上げたくなりますか?
中村:今取材すべきという業界や、テーマに沿った企業であること、さらにサービスとか商品とか「なるほど!」と手を叩いてしまうような1本筋が通っていてそこに企業なりの正義があることでしょうか。
ただ儲かる、流行ってるからやります、では取材していても厳しくなります。すごい工夫があったり、それを生み出すまでにすごいストーリーがあって絶対これを1時間の番組にしたら面白いなという風に僕の中で感じられたら、それは有名な企業であろうが無名な企業であろうが声をかけるようにはしてますね。
酒井:テレビ番組制作の現場ディレクターとしては、番組は企業のCMではないという思いがあります。だから弱さも含めて見せてくれる企業ってすごくいいなと思って。うちはこんな弱みがあるんだけどその分こっちがすごく強いんだよ、と教えてくれる、見せてくれる、協力してくれる企業だとすごく現場としてはやりやすいなっていう気がしています。
中村:名言が出ましたね(笑)番組内でも劇画シーンが特徴的なところですが、「閃めいた!」というシーンもあれば、挫折や大失敗のシーンを劇画にすることも。酒井君が言う通り、あんなことがあったけど乗り越えんだよという風に明るく話してくれる企業というのは取材させていただきたくなりますよね。
生田:そういった歴史があるような企業が描きやすいんですか?
酒井:そうですね。例えばこの機能に特化させたからこっちの機能は失わせちゃいましたみたいな。そっちの機能は捨てました!考えていません!ぐらい言い切ってくれるところとか面白いですよね。
中村:カンブリア宮殿は、もちろん企業の取材もありますけど、やっぱりスタジオで村上龍さん、小池栄子さんとお話をされる企業の代表や創業者の方の熱い信念、熱量がいいですよね。何か話してみて「儲かりそうじゃないですか。このビジネス」とかいう人だったら、ちょっと「う~ん?」ってなるじゃないですか。カンブリア宮殿という番組にはそぐわないかなと僕自身は感じてしまいます。
テレビ番組制作ー取材対象者、企業との関係構築のための工夫
酒井:すごく大事なことだと思います。関係値づくりというか、僕だからこそ話してくれたという関係を目指したいですね。先輩ディレクターから「ご飯でも行けばいいじゃん」とよく言われますね。
中村:その企業のことを好きになってファンになるのは良いと思います。ただ放送前の編集映像をプレビューする際に、第三者の目線が入ってないというVTRになることもあるので、「ちょっとちょっと主観が入りすぎ」と言ってあげるのがプロデューサーや周りのスタッフの役目。引きの目線で見ないとこの企業CMのような番組になってしまいがちなので。
生田:これだけ膨大にある素材を1本にまとめるコツは?
中村:センターラインというか、枝葉があればVTRにチェンジオブペースで面白いところをつけていくイメージです。この番組は丸々1時間何を言いたかったのかわからない、では困ります。カンブリア宮殿では僕よりもさらに第三者で見てくれるような放送作家さんなどの第三者の意見を聞きますね。
酒井:テレビの良いところってそこじゃないかなと思っていて、YouTubeみたいに自分1人で作るのではなく、時間をかけてチェックがあるので、そこがやりがいだし面白いところだと思います。
中村:世の中に出ていく前に1回小さな社会の中で1回削ぎ落とされてというか、洗練されていますから。それはクオリティの高いものが出ていきますよね。
テレビ番組制作ーまとめ
生田:番組制作のノウハウが弊社の動画制作部門にも活きているのでしょうね。
中村:そうですね。番組制作って今2人で話してきたように、しっかりヒアリング・取材・下準備や台本作ってとか、本当にカメラを回すまでに1ヶ月・2ヶ月かかるのが普通です。やっぱりその準備をしっかりしてこそいい撮影ができていい編集できてというのは間違いないと思っています。
カメラをいきなり回しても多分いいものは撮れないと思うんですよ。企業の紹介動画や採用向け動画などテレビ番組の制作する知見をそのまま活かせばより良いものができると思います。
生田:是非興味持っていただいた方はホームページないし動画の概要欄からお答え合わせいただければと思います
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