2024年10月11日更新

テレビ番組をつくる人vol.1テレビディレクター

テレビ番組をつくる人vol.1テレビディレクター

池山聡子さん

2014年に中途入社。新卒から一貫してテレビ業界に携わり、ピーディーネットワークのエースディレクターの一人。これまでの主な担当番組は「スイッチインタビュー」「世界はほしいモノにあふれてる」「天然素材NHK」「すこぶるアガるビル」など。

テレビディレクターって時には台本も書くって、知ってました?

ーテレビディレクターってどんな仕事ですか?

一言で言うと「何でも屋」かもしれません。先日も取材先の担当者様と打ち合わせの際に「台本は私が書きます」と言ったら、驚かれました。「それって放送作家さんがやるんじゃないですか?」と(笑)。本当に幅広い業務があるので、テレビディレクターの仕事を箇条書きでお伝えすると

:企画リサーチ

:取材

:台本を書く(構成)

:撮影

:編集

:ナレーション原稿書き

:放送局担当者との折衝

:その他

番組制作のほぼ全部に関わるのがテレビディレクターであり、かつ、 この全ての段階においての「調整役」でもあります。取材対象やロケに行くのはもちろん、美術さん、カメラマンさん、放送作家さんとの打ち合わせ、いざ収録となれば、出演者、テレビ局側の各担当者、事務所などとの調整も担当します。番組の中でやりたいことを細かく説明したり、出演者の力を存分に発揮していただくという役目もあるので、この辺りがなかなか世間の皆さんにはイメージしづらいのかなと思います。もちろん他の職種や業界でも当たり前のことですが「人と話す」ことこそが大切で、人と話して調整や交渉をする業務が実は大きな割合を占めています。

ーキャリアの中で最も成長を感じたお仕事は?

BSテレ東の日経プラス10という経済に特化した生放送の報道番組を担当していた時ですね。特集VTRだけを作るサブディレクターからスタートし、2年ほど経ってチーフディレクターに昇格して放送作家さんと一緒に特集内容を考えて、ゲストのブッキングから取材、台本作り、VTR監修、生放送中はモニターがたくさんある「副調整室(サブ)」で放送中の全体の指示出しもやりました。

番組スタッフになって2年目の私が、生放送で全体へ指示出しする席に座るなんて、ほんとに「怖い、できるかな」という不安しかなくて。それでも、どうにかなるものなんですよね。周りのスタッフからも助けてもらいながら。この番組で何事も経験でしか得られない体験をさせてもらえたことは大きかったです。
私個人はあまりスピード感や瞬発力がないタイプ。時間かけて考えて作るほうが自分にはあってると思っていました。逆を言うとそれが弱点でもありました。放送日は1週間後にやってくるのに1週間前の今は何を放送するか決まってないような状態で走りながら作って、気が付いたら放送日が終わってるような日々でした。それでもいざ足を踏み入れて経験してみれば、自分のキャリアとしては重要だと思えるし、それがあったからこそ、また次の段階に行けたと思っています。

テレビディレクターの仕事は、一石二鳥、三鳥にもなるのが魅力です

ー企画を考える時のコツはありますか?

プライベートな時間で発見したことが仕事のアイデアに繋がることもあるので、 実はテレビディレクターって仕事はとてもお得な仕事だと思っています。個人では体験できないことを経験できたり、会えない人に会えてそれでお給料をもらえるなんて、めちゃくちゃ一石二鳥、三鳥ぐらいかもしれません。

普段の担当仕事以外に「企画を考える」=未来の仕事を作ることも多々あります。必要になりそうなアイデアを思いついたら、私はLINEで自分だけのグループを作って、そこにメモした内容をメッセージで飛ばすんです。思いついたことや、たまたま見かけたWebサイトのURL、スクショ画像など、飛ばした先は誰にも届かないで自分だけが見られる。使い方としては、例えば「いつかナレーションをお願いしたい人」というLINEグループを作ってて、この俳優さんすごい声いいなって思ったらそこのグループに名前だけ送っておく。なんかこれ面白いな、ヒントになりそうだなって思ったら、「企画アイデアの種」グループに送っとく。LINEだと送った日付も出るし、一番アクションが少なく、かつ、一覧で見れるので実はとても便利なんですよ。

ーこれからの野望(挑戦したいこと)を教えてください。

自分が企画した番組から派生してリアルなイベントが開催されたり、書籍が出るまで展開されるような番組作りがやりたいですね。あとは自分個人では行かないであろう場所へ行くこと。そうです、一石二鳥、三鳥四鳥根性です(笑)。アフリカ大陸や究極は南極とか行ってみたいですね。

テレビディレクター「取材力」の基本は、自分が「普通の人」であることを忘れないこと

ー取材力を磨くために、普段大切にしていることは何ですか?

取材する際は作り手としての立場で伺いますが、その前に、私も視聴者であり生活者であることは常に忘れないようにしています。事前に考えた質問は、VTRを作るために聞くべき質問ですが、視聴者として生活者として素直に湧いてきた疑問の方が実は大事な場合もあります。

私も、元々は視聴者でありテレビを観る側の人間なので。番組作りは自分の作りたいものを作る作品作りではなく、あくまでも視聴者に観てもらうためのものなので。では視聴者ってどんな人かというと、普通に生活してる人たちですよね。当社が作る番組はほとんど事実ベースです。

ーPDNの特長を教えてください。

当社は、業界の中でもきっちりしっかりしてる社風だと思います。真面目に、誠実に仕事する。取材先との関係はその1回きりというのがほとんどですが、当社はお付き合いいただく期間が長いのです。放送が終わってからもお声がけいただくことが多いです。それはやはり信頼してもらったから故だと思います。実際、取材中や収録中でも予定になかったように、ここまで話してくれた!みたいなこともあります。

また今30代前半ぐらいでディレクターになっている後輩たちが、同じ立場になって仕事しているので、彼らが作った番組が面白かったなと思うことも増えました。ライバルというと違うんですけど若手なりの勢いもあって、面白いものを作ってる。自分にも刺激になっていますね。また企画の発想が面白いのはもちろんですが、それぞれに個性があって。たとえばNさんはめちゃくちゃ調べるんですよ。古い書物まで見る。図書館に行って「その古い本どこから借りてきたの!?」というようなものを調べたり。その人らしさを活かした仕事ぶりがいいですよね。個性を認めあってる会社でもあります。

ーテレビ番組制作を志す方へのメッセージを。

例えばテレビ番組が作りたいです、と当社を志望していただいた学生さんの面接をしていて「大学では⚪︎を創っていました」といわゆる「創作物」とアピールしていただくことが多いのです。いわゆるクリエイターにカテゴライズされてるとは思うんですけど、私はそれがいまいちピンとこない、 その一言では片付けられない仕事です。一石四鳥くらいの楽しさとメリットがある本当にいい仕事だと私は思っていて。思いもよらないところに行けて、 時には憧れの人にも会えて、ある程度裁量を持たせてもらえて責任も感じられます。もちろんものすごく大変なこともありますが、やりがいがあるという意味では、自信を持っておすすめできる職種であり、職場だと思っています

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この記事の監修者

PDN 動画ブランディング事業部

動画制作・TV番組制作・メディアコンサルティングを専門分野としています。これまで経済・ドキュメンタリー等のテレビ番組制作を主事業としてきた当社が、「取材力」を起点とした良質なコンテンツ制作に関する情報を発信していきます。

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