
中村篤史さん
2002年入社。当社代表の田辺が講師を務めていた放送系専門学校からテレビ業界へ。経済情報番組、クイズ番組などのプロデューサーを歴任し、2022年からブランディング事業部へ。国内大手企業からBtoB企業まで動画を基軸にしたプロジェクトに関わる。
目次
プロデューサーの仕事は、チーム構成と環境づくり
ーこれまでのキャリアの経緯を教えてください。
通っていた放送系の専門学校で講師を務めていた当時日本テレビのプロデューサーだった当社社長の田辺と出会い、2002年当社立ち上げの際に声をかけていただきました。初めは経済情報番組のリサーチやロケハン手配などのADからキャリアをスタートさせ3年目でBS日テレでプロデューサーとして初番組を担当し、「なんとかなる、なんとかする」精神で今に至っていますね。
ープロデューサーのお仕事を一言で表すと?
プロデューサーはディレクター、放送作家、AD、カメラマンなど多くのスタッフと関わるため、彼らが仕事をしやすい環境づくり、土壌を作る人だと思っています。良い土壌を作れた結果、予算、クオリティ、スケジュール管理など全てのタスクがうまく行くと考えています。
ブランディング事業のプロデューサーとしてはコンテンツを作り出すことがゴールではなく、世間とクライアントが良いコミュニケーション関係であり続けるために、クライアントの持つ様々な課題に常に寄り添い、情報を整理してアップデートできる提案をする、そのための土壌作りを意識しています。
クオリティより優先する、人柄とマナー
ープロデューサーとして気をつけていることを教えてください。
大きく分けて二つあります。一つは「何を作るかではなく誰とやるかが大切」ということ。これはテレビ番組担当時に、ある大先輩に言われた一言で今でも大切にしていて、功績を残す人はスケジュール管理もTPOもきちんとしている、人として真っ当であるという意味です。例えばディレクターの場合、締切に間に合わない時はきちんと事前に謝罪の電話連絡をくれて、その上で「もう一日だけ時間貰えれば、クオリティを上げられるからなんとか時間もらえるようにクライアントに交渉して欲しい」と相談があります。決して人のせいにせず、嘘をつかず、最適解の行動ができる人は何よりクライアントに対しての配慮もできますから。これまで何を作ってきたかのポートフォリオよりも人柄を重視していますね。
もう一つは最低限のマナーを守ること。この業界は正直あまり世間からの評判が良くないですよね。ロケハンした場所にゴミが置きっぱなしだったとか、取材させていただいたお店に御礼も言わずに帰ったとか、遅刻なんて当たり前、というような。当社は絶対そんな無礼で無作法なことはしません。僕がプロデューサーの現場でそのようなクレームはありませんし、取材を受けてくれた人が、気持ち良く取材を受けてくれるかどうかを意識してますし、自分たちの表現したいことを成立させるためだけで相手に無理強いすることは絶対ない。これはもう「社風」と言えると思います。
ーやりがいを感じたエピソードを教えてください 。
RYODEN様とのお仕事は印象深いですね。社名変更周知の動画制作で、まずはオンラインでのヒアリングした際、広告要素を強くした方がいいのでは?と感じ、チームに広告制作経験が豊富なスタッフを加えました。ヒアリングでは社名変更するという事実だけで、周知するためのキャッチコピーが決まっておらず表現の中心となるものが存在していませんでした。そこで広告業界での経験が豊富な監督とタッグを組み、一緒にメインコピーを考えて制作したところ、とても喜んでいただけました。そのコピーはリニューアルされたホームページにも大きく使っていただきましたし、大型展示会のブースでも流していただけて、それを見た時は大きなやりがいを感じました。その他RYODEN様関連の動画制作は引き続きお仕事させていただいております。
ー仕事における三種の神器を教えてください。
YouTube、ボイスメモ、コーヒーです。コーヒーは何かを切り替える時とか、ガッと仕事に取り込む時とかに手元にあって欲しい、自分のお守りみたいなもの。
YouTubeは情報源。新聞雑誌その他書籍も読みますが、YouTubeはラジオ感覚で使っています。
ボイスメモは常に録っています。自分の記憶を一切信じてないというか(笑)提案書作成の際はボイスメモと議事録を合わせて見返し、クライアントが何を求めているのか、次のタスクの確認など注意深く作業しています。またクライアントとの定例MTG前には、前回分のボイスメモを移動中の時間を使って絶対聞き直すようにしてます。クライアント側の発言内容に統一性がなかったら指摘して一緒に整理していく作業も信頼関係に繋がると思っています。
とにかく何でもいいから残す、そこからどう引き出すかがとても大事です。それをGmail超活用術のようなイメージで(笑)アプリを開き直すよりも早いので僕はGmailに下書きでタイトルで分けています。いろんなテレビ企画用のメモや、クライアントへの売り込み文句とか多くの文字要素、タイトルを入力してメモしています。
「ちょっと聞いてみるか」信頼と期待に応える努力
ーこれからの野望を教えてください。
あっと驚く強みを持っているにも関わらず、世間に知られてないクライアントの躍進のお手伝いがしたいです。そのためには「中村の意見でもちょっと聞いてみるか」ぐらいの感じで思われたいです。
僕自身が案件で悩んだ時に、パッと相談出来る先輩や同僚、協力会社さんが居て欲しいし、実際ピーディーネットワークの人たちは雑談の中で相談しても「だったら最近こういう機材出てきたから、これ使えば良いんじゃない?」などと具体的なアイデアを出してくれる人ばかりでいつもすごく助かっていて。だからクライアントにとって僕がそういう立場になればより多くの機会をいただけると思ってます。
ー今後のピーディーネットワークの課題は何でしょうか?
テレビ番組制作ではすでに多くの実績がありますが、動画制作、ブランディング事業はまだ始まったばかりなので、このチームの基盤作りが課題だと感じています。「初手を間違えると全部間違える」と社長の田辺もよく口にするように、私も一番の古株社員としてしっかり基盤作りには寄与したいと思っています。
本当に良い意味で真面目な会社だと思っています。適当な仕事が大嫌いという共通項もありますね。やっつけ仕事とかお金が稼げるからこれで良いという判断の仕事を基本的には皆さんやらないですよ。やらないというか、やりたくない。自分の仕事にはこういう意味があるとちゃんと意識出来ている人が多いと思います。
ー社内のこの人のココがいい!を教えてください。
昨年2024年に新卒入社したアズハリ君は、社内でもすでに必要とされる存在です。1年目でここまで当事者意識がしっかりある新人も珍しいと思います。例えば、野球をキーワードにした採用動画の企画で、撮影監督と打ち合わせしている側から「中村さん、ロケが必要だったら、練習場のスケジュール、この辺りで押さえておきましょうか?」「ナレーターはスポーツ番組などによく起用されているAさんかBさん、押さえておきましょうか?」と先の先まで見通し行動してくれるので本当に助かっていますし、彼が今後プロデューサーになった際はいいチーム作りができるだろうなと期待しています。
SNSではなく無制限に情報を得られる書店へ
ー就活生の皆さんへアドバイスをお願いします。
「本当にやりたい仕事がわからない」「テレビや動画は好きだけど、現場で働くほど好きかどうかわからない」など当社の会社説明会や面談などで就活生の皆さんからよく相談を受けます。その時は本を読むことをオススメしています。本を読む=情報を仕入れるということ。私は書店に通うことが癖になっていて、あの空間は特に見たくないものまで目に入ってくるし、今のトレンドを知れることはもちろん、「何?こんなタイトルの新書が出てるんだ⁉︎」という面白い発見、発想に繋がります。
移動途中に見つけたらフラッと寄れるコンビニへ行くくらいの感覚で、自分の興味関心を生み出す場所としてぜひ利用して欲しいです。わざわざ大きいチェーンやお洒落なコンセプトでやっているような書店に出向く必要はなく、むしろ街の個人経営のような書店の方が面白いこともありますよ。