2024年5月4日更新

テレビ番組「カンブリア宮殿」の制作秘話

テレビ番組「カンブリア宮殿」の制作秘話

株式会社ピー・ディー・ネットワークは、2002 年の設立以来「カンブリア宮殿」「ワールドビジネスサテライト」をはじめとした経済・情報・ドキュメンタリー番組を制作してきました。その数は1500本、取材した企業トップは400人以上にのぼります。

どんな人にも、どんな会社にも、そこにしかない深く心に残る「おもしろい」を追求してきた当社。これまで「取材力」「構成力」「キャスティング力」「メディア視点」4つを強みに、多くのクライアントの魅力を番組制作を通して世の中に発信してきました。これからも私たち自身が強い好奇心を持ち、丁寧な取材をすることで価値の高いコンテンツを生み出していくことを目指し続けていきます。

今回は、これまで当社が請け負ってきた案件の中でもPDNならではのクラアントとの向き合い方により、反響の大きかった「カンブリア宮殿」の制作事例についてご紹介したいと思います。

「カンブリア宮殿」の制作について

「カンブリア宮殿」は、国内の経済界で活躍する様々な著名人や企業、いわゆる“平成カンブリア紀の経済人”を迎えてお送りする大人のためのトーク・ライブ・ショーです。国内を代表する企業の経営者や経済人が多く出演することもあり、キャリア志向の強いビジネスパーソンにも役立つ情報を提供してくれることで人気の番組です。

番組構成としては、企業や学校、NPOの活動を取材・紹介する「VTR部分」と、企業経営者や財界人の方々を迎えて村上さん、小池さんがクロストークする「スタジオ部分」で構成されています。

他の番組のように、番組制作に関わる制作会社が持ち回りで制作する担当制とは異なり、「カンブリア宮殿」は各社が企画をテレビ東京に提案してラインナップが決まります。つまり制作会社が企画を考えて提案するというアクションを起こさない限り、制作に関わることはできません。企画提案力が試される案件となっています。

そんな中、ピー・ディー・ネットワークでは2013年から『カンブリア宮殿』の制作に関わっています。今回はこれまで制作してきた中でも特に印象的だった2014年4月17日放送分の老舗肌着メーカー「グンゼ株式会社」(以下略称)の事例を、担当プロデューサー中村篤史氏のインタビューをもとにお伝えします。

テレビ番組「カンブリア宮殿」の制作秘話

取材前の印象

「歴史ある肌着メーカー グンゼに焦点を当てた理由とは」

番組制作の第一歩として、取材先の企業を決めることから番組づくりがスタートします。企業と一口に言ってもその数は膨大。そこで「いま、どのような企業を、どういった切り口で取材すれば視聴者に“刺さる”番組になるのか」を意識しながら、主人公となる企業を探していきます。

その中で大切にしている企業選びのポイントは2つ。

一つ目は「歴史があること」、二つ目は「規模が大きすぎないこと」です。

創業から年月が経っても、この時代まで独自の取り組みを続けている会社には魅力がありますし、あまりに巨大な人数・売上を誇る会社を取り上げてしまうと焦点がぼやけてしまうことから、この2つを心に留めるようにしています。

2つのポイントを軸に要件を満たす企業を思い浮かべていく中で、候補に上がったのがグンゼでした。

昔から男性用の肌着メーカーとしてグンゼを知っていて、歴史は古そうだと思っていました。また、肌着の印象が強かったので焦点を絞りやすいのではないか、と考えたこともあり、詳しく調べてみることにしました。

取材ノート

「事前調査で発見したグンゼならではの魅力 ”創業120年を生き抜くグンゼのサバイバル経営?”」

男性用下着や女性用ストッキングのメーカーとして有名なグンゼ。男性用の肌着ではシェア16%とトップを守り続けている企業ですが、調べてみると、実は肌着以外の分野にも進出しています。
たとえばペットボトルや食品の包装フィルムのほか、タッチパネル用のフィルム、さらには体内で溶ける医療用の糸といった最先端技術に、繊維で培った技術が新たな可能性を生み出しています。

そして、このような活動は広くは知られていないようでした。

テレビ番組「カンブリア宮殿」の制作秘話


そこで「創業120年を生き抜くグンゼのサバイバル経営に迫るのが面白い!」と考え、企画を練っていきました。図書館やインターネットで探した資料を読み込むのはもちろん、グンゼの社員や経営者、広報担当者へのペン取材(カメラを回さない事前取材)も行いました。辞書よりも分厚い社史を読み、ライバル企業など業界全体のパワーバランスなども頭に叩き込むなど、あらゆる手段を駆使して「伝えるべきポイント」を探っていきます。

そこで集めた素材をもとに、テレビ東京にプレゼンするための企画書を作成します。取材によって得られた情報や調べたことをただ羅列するのではなく、「このような1時間になります」ということを具体的に示した企画書です。幸い私たちの企画は受け入れられ、番組として制作を進めることになりました。

「広報担当への取材から見えてきたものは 企業姿勢をあらわす”人は財なり”」

グンゼでは、話を聞けば聞くほどストーリーが深みを増していきました。

今からおよそ120年前、1896年にグンゼは京都の製糸メーカーとして創業しました。1900年代初めに化学繊維のレーヨンが爆発的に普及すると、生糸は壊滅的な打撃を受けます。以来、グンゼにとって時代を生き抜くための試行錯誤と挑戦がスタートします。
生糸の製造会社だったグンゼはやがて肌着メーカーとなり、ストッキングを出荷するのに使っていた包装フィルムを自社で作るようになります。そこで培ったフィルム生成の技術を活かし、需要が高まってきたタッチパネル用のフィルム製造を手がけます。さらには体内で溶ける糸から作る「縫合補強材」という医療品の開発に成功。アメリカの大手医療機器と提携を果たし、溶ける糸を使った再生血管が臨床現場で使われはじめています。
これらはすべて技術の根底がつながっており、やれ飲食に、やれ不動産にといったような儲け主義のもとで事業多角化を進めていく企業が行うビジネス目的の“飛び地”ではなく、培ってきた技術に裏打ちされた“地続き”となっているのです。

事実、グンゼの売り上げ1300億円の内訳を見てみると、肌着類は全体の約半分。残りは肌着とは一見何の関係もない製品が収益源となっています。

もう一つ、取材を通じて見えてきたことがありました。
お話を伺いながら会社の中を歩いていると、歳の離れた同じ名字の方に何人もお会いしました。お話を聞いてみると、予想通り、親子2代・3代でグンゼに勤務しているのです。 みなさん「とてもいい会社だから」と、子どもや孫に入社を勧めるのだそうです。グンゼの企業姿勢は「人は財なり」。これまで取材をしてきた会社とはまた違う、地域に愛される会社、信頼される会社だということを目の当たりにしました。

グンゼ創業者の波多野鶴吉氏は、グンゼで働く女性たちのために私学を立ち上げ、「これからの世の中に必ず必要になる」と読み書きを教えていたそうです。さらにグンゼの社名は「郡」「是」。地域産業を盛り上げ、地域の見本となるような会社を目指して名付けられたといいます。社会に開かれたパブリックな存在として、地域社会に貢献する組織として成長を遂げていったのです。

キーワードの設定

「広企業経営にはどちらも欠かせない チャレンジングとコンサバティブ」

これは、取材の中で児玉和社長がおっしゃっていたことで、この言葉にこそグンゼの魂のようなものを感じました。「未知への飽くなき挑戦を」というと聞こえはいいですし、特にものづくりを手がける企業のスタンスとしてはきっと正解なのでしょう。ただ児玉社長が言うように、企業経営の根幹は“攻めと守りの見極め”にあるのでしょう。未来の医療につながる技術が生糸メーカーとして育んできたものの中にあったのです。

児玉社長には「現状への安住は、後退を意味する」という考えがあったそうです。その考え通りグンゼではさまざまなチャレンジをしています。しかし、決して無理なチャレンジはしていない。グンゼが取り組む未来の医療につながる新しい技術開発は、生糸メーカーとして育んできた延長線上にあることを忘れてはいけません。

また、「挨拶をする」「履物をそろえる」「掃除をする」──部署を問わず、グンゼ社内ではこの3つが徹底されています。工場を訪れると、行きも帰りも社員たちが立ち上がって見送るなど、とにかく「人」を大切にする文化が根付いていました。人から人へ、たしかな技術が受け継がれていくさまをパーソナリティーの村上龍氏はこう評しています。

『縦糸・横糸に紡がれるグンゼは、企業の理想像を表している』

株式会社ピー・ディー・ネットワークの強みー番組制作のその他実績

「つくる前」に、引き出せるか?「取材力」がピー・ディー・ネットワークの強みです。

株式会社ピー・ディー・ネットワークは、『カンブリア宮殿』『WBS(ワールドビジネスサテライト)』などの経済情報番組、『スイッチインタビュー』などのドキュメンタリー番組、「日本人のおなまえ」などの知的エンターテインメント番組や数多くのクイズ番組を手掛けています。

当社では多くの経済情報番組を手がけ、さまざまな企業・業界と向き合ってきたからこそ、その魅力をいち早く見つけて世の中に発信できます。

技術、サービス、人材、社内制度など企業には必ずそれぞれ“魅力”があります。ただ残念ながら、その“魅力”に自分たちが気づきにくいのも事実。魅力は往々にして「その企業や業界にとっては当たり前のこと」に潜んでいます。たとえ、どんなに些細なことでも、他社と似ていることでも、少し角度を変えるとオンリーワンの “魅力”が見えてくるのです。

また、当社はテレビ番組制作のほかに、企業ブランディング事業にも取り組んでいます。企業ブランディングは、その企業の魅力や価値をあぶり出して言葉や映像として表現し、顧客との関係性を強化して経営を有利に進めるための戦略です。「クライアント企業の魅力はどういうところにあるのか」「提供している価値の本当の意味は何なのか」当社はインタビュー取材を通してクライアント企業に徹底的に向き合い、魅力や特徴、オリジナリティー、他社との違いを洗い出し伝える。そんな番組制作に強みを持っています。

テレビ番組制作スタッフがいる会社に動画制作を頼んだ方がいい理由

数多くある制作会社の中でも、テレビ番組制作スタッフがいる会社に動画制作を依頼した方が良いメリットがあります。

なぜなら常日頃から動画や映像で”何かを伝える”という観点において、視聴率という視聴者の関心データと向き合い、面白いと感じてもらえる番組制作や映像制作を行ってきたテレビ業界出身者を差し置くことはできないでしょう。その理由として以下の3つがあります。

◾️企画力・構成力・演出力が高い

テレビ番組制作に携わってきたスタッフは、ゼロからどんな番組内容が面白いのか、企画アイデアを考えてきた経験があります。また老若男女、幅広い層をターゲットにしているので、万人にウケ、尚且わかりやすいシナリオの構成や盛り上げるべきシーンの演出ができます。

◾️高クオリティの動画がワンストップで制作できる 

企画力・構成力・演出力が高いということが前提となり、社内で撮影スタッフや編集スタッフや音声スタッフを抱える企業が多く、ワンストップで動画制作を行うことができる企業がほとんどになります。

◾️取材力があり、インタビューから魅力を引き出すことが得意

テレビ番組制作スタッフは、相手の言葉を引き出すプロです。数えきれないインタビューの経験から、相手の良い言葉を自然と引き出すことに長けています。現場で起きることを素材にすることも得意なので、台本にないアドリブなどが起きても臨機応変な対応が可能です。

つまり、番組制作スタッフは企業の魅力を引き出してわかりやすく映像で伝えるプロなのです。 動画はあくまで「誰に何をどのように伝えるか」が大切。動画制作をする際は、まずは動画を魅力的に見せるためにコンテンツを熟知したテレビ番組制作スタッフが在籍する会社に依頼するという選択肢も一つと言えるでしょう。

番組制作と動画ブランディング

動画ブランディングとは、企業の価値や魅力、つまり「伝えたい想い」を動画でカタチにすることで顧客の共感を得るとともに自社のブランディングに繋げていくことです。これはテレビ番組制作も同様。ストーリー形式で制作されたコンテンツは、視覚と聴覚に訴えることができるため、消費者の感情を刺激し、共感を引き出すことができます。私たち株式会社ピー・ディー・ネットワークがこれまで培ってきたのは「企業が自社で気付いていない魅力をみつける」「経営者の本音を引き出す」といった「取材力」です。

株式会社ピー・ディー・ネットワークは、“魅力を伝えて、ファンをつくる”この「取材力」を活かした動画制作で、一過性の広告とは違う、恒久的なブランド価値の向上をお約束します。

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